製作開始日:2012年9月1日

シマノ・バンタムスコーピオン メタニウムXT

知人からベイトリールメンテの依頼がきた。

このリールの正式名称はページのタイトルに書いてあるように「バンタムスコーピオン メタニウムXT」というリールのようだが,通称「赤メタ」と呼ばれる事が多いと思う。

少々古い機種で,結構使い込まれている。約3年前にオークションで購入し,これまでほとんどメンテしていないようだ。

最近クラッチ操作が硬くなったとの事で預かった。

リールメンテナンスで使う道具(1)

今回の準備品。右から

  • ピック(先曲がり)
  • ピック(ストレート)
  • プラスドライバー
  • シマノ純正スプレーグリス
  • シマノ純正スプレーオイル
  • シマノ純正ドラググリス
  • 綿棒
  • シマノ純正リールレンチ
  • キッチンペーパー

リールメンテナンスで使う道具(2)

右から

  • ラジオペンチ
  • マイナスドライバー(中)
  • マイナスドライバー(小)
  • パーツクリーナー(写真無し)

写真のラジオペンチは少々大きめだが,もっと小さくて先が長いものの方が使いやすいと思う。

赤メタのハンドルにガタがある

まずは分解前に状況確認。

クラッチが硬いのを直すため自分で分解して給油したようなのだが,ハンドルを持って矢印の方向に動かしてみると,ハンドル全体がグラグラする・・・。

分解してみて分かったが,恐らくドラグを緩めたままハンドル部のネジを締めたため,ハンドルが十分に固定されていなかったようだ。

クラッチ操作時にキシミ音

スプールの回転は比較的良好。クラッチの硬さは,少し硬いかな~,って感じ。

普段使っていないので良く分らないっていうのが本音。

でもゆっくり操作すると,レバーと本体の間から「ギギ~」って感じの音が少し出る。動きはシブいようだ。

赤メタの分解開始

それでは分解を始めよう。

この機種の分解図はシマノのホームページに出ていないようだが,類似機種の「スコーピオン メタニウムMg」の分解図があった。

ハンドルからドラグノブまでが若干違うようだが,中身はほぼ同じだと思う。

最初に書いておくが,このリールは持ち主が1度分解しており,全て正常に組まれているかどうか分らないので,ご了承下さい。

まずはドラグのハンドルが何回転するかチェックする。 このリールは,ちょうど1回転位回った。

私の「’05メタニウムXT」と比べると回転数が少ないが,分解しても特に異常は感じなかったので,これ位なのだろう。

ハンドル部のビスを外す

まずはハンドル部から分解してみる。

プラスドライバーでネジを外す。

外れたビスとカバー

ネジとカバーが取れた。

ハンドル固定ナットを外す

ハンドルを固定しているナットを,レンチで緩める。

このナットには向きがある。角が丸くなっている方が外側になる。


※2014.12.21ここから修正
このナットを外すとスプリングの力によって,ハンドルとハンドルの下にある丸い部品が勢い良く外れてくる可能性があるので,しっかりとハンドルを押さえてナットを外す。

ハンドルを外す

ナットが取れたら,ハンドルを外す。

ドラグノブの上にある部品

ハンドルが取れた。

次に,ドラグノブが入っている丸い部品(名称不明)を外す。

本来はドラグノブと丸い部品の間にスプリングが入っているようなのだが,預かったリールには入っていない。恐らく組み付けを間違えているようだ。

ドラグノブの上にある部品(2)

丸い部品がとれた。

本来であれば,この丸い部品とドラグノブの間にスプリングが入っているのが正しいようだ。

次に,ドラグノブを外す。ネジになっているので,ドラグを緩める方向に回せばOKだ。

外したドラグノブ

とれた。

ドラグノブの下にはスプリングが入っていた。’05メタニウムXTの場合はスプリングの位置はここで正しかったが,この機種の場合はスプリングの位置はここではなく,上写真にあるようにドラグノブと丸い部品の間に入っているはず。

ドラグノブの下にあるスプリング

間違えて組み付けされたスプリングを外す。

※2014.12.21訂正 ここまで


ドラグノブの下にある座金

’05メタニウムXTにも入っていた,反り返った座金が2枚入っている。2枚同時に外した。

この座金は向きがあるので,分らなくならないように管理する。

ちなみにこのリールは,座金が

(( ← この向きで入っていたが,

() ← この向きではないかと思う。

私が以前分解した「’05メタニウムXT」は,初めて分解したときに間違いなく () ←この向きに入っていた。

機種によってコンセプトが変わるので,はっきりとは分からないが・・・。

2枚の座金の下にあった座金

2枚の反り返った座金が外れたら,平らな座金が1枚出てきた。

この座金も向きがあるようだ。

入っていた状態は,ハンドル側(上側)が銀色で・・・。

座金は表と裏で色が違う

本体側(下側)が銅のような色をしていた。

ここまで分解したときの,本体側の状態

本体は,このような状態になる。

パーミングカップのレバーを回す

続いては,スプールを外していく。

パーミング・カップに付いているレバーを起こして,矢印の方向に回す。

パーミングカップを開く

このようにスライドさせる。

スコーピオン1500はパーミング・カップが外れたが,この機種はまだ外す事ができない。

スプールを外す

スプールを外す。

’05メタXTと同じで,本体とスプールのすき間が非常に狭く,ラインが引っかかってスプールが外しにくい。

スプールシャフトのベアリングに錆が・・・。

とれた。

スプール本体とベアリングに,うっすらと錆のようなものが見える。

組み付け時に給油しよう。

スプールの遠心ブレーキ側

遠心ブレーキ側は,特に問題は無いようだ。

ブレーキブロックは,2種類のものが交互に入っていた。

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