ベイトリールでキャストするときはクラッチレバーを押して,スプールがフリーで回転するようにして投げる。
今回は,クラッチを切ったり繋いだりしている部分について考えてみる。
ハンドルとスプールは,「メインギヤ」「ピニオンギヤ」という2つのギヤを通って連結されている。
「ピニオンギヤ」と「スプール」の接続部分を見てみよう。
こんな感じになっている。
スプールのシャフトには一体化したピンがあり,ピニオンギヤはピンに噛み合うように加工されている。
写真の状態はピンとピニオンギヤが噛み合っていないため,お互いの動力を伝達する事ができない。
したがって,この状態だとスプールが回転してもメインギヤまでは動力が伝わらない。
この状態になるとピニオンギヤとスプールは連結されているので,ハンドルを回せばスプールは回転するし,スプールを回したときはメインギヤへと動力が伝わる。
ここの噛み合わせを断続するのが「クラッチ」で,クラッチレバーを操作すると,このようにピニオンギヤが左右に動くようになっている。
ピニオンギヤはリールを分解しなくても,スプールを外せば少しだけ見える。
これがクラッチを切る前の「動力が伝わる状態」で・・・。
クラッチレバーを押すとピニオンが本体の中へと移動する。
このときスプールとの噛み合いが外れ,スプールはフリーな状態になる。
今度はリール内部を見てみよう。
クラッチレバーには「クラッチプレート」という部品が連結されており,クラッチレバーと連動して動く。
クラッチプレートは写真右端が支点になっている。
これがクラッチレバーを押す前の状態で・・・。
これがクラッチレバーを押した状態。
この動きで,クラッチプレートの突起部を動かす。
クラッチプレートの上には「クラッチカム」という部品が乗っており,クラッチプレートの突起部に押されながら連動して動く。
このとき,「クラッチカム」には突起が2箇所あり,これが回転方向に動く。
この写真はクラッチレバーを押していない時で・・・。
これがクラッチレバーを押した状態。
次はピニオンギヤ付近を見てみよう。
ピニオンギヤは中間付近にギヤのない溝部があり・・・。
「クラッチヨーク」という部品が挟まって・・・。
このように,クラッチカムの上に乗っかっている。
クラッチレバーを押すと,クラッチカムの突起部が
クラッチヨークを・・・。
押し上げる。
この動きが最終的にピニオンを動かし,動力が断続される。
あと少しだ。
クラッチレバーを押したときの「カチッ」という節度感のある動きは「クラッチツメバネ」というスプリングの伸縮によって行われる。
また,クラッチレバーを押した状態でハンドルを回すと自動でクラッチレバーが戻る構造になっているが,この作動は「クラッチツメ」と「ストッパーギヤ」によって行われる。
写真はクラッチレバーを押す前の状態。
クラッチレバーを押すと・・・。
このように,「クラッチツメ」がストッパーギヤの凹んだ部分に入る。
ストッパーギヤはハンドルと直結されているため,この状態でハンドルを巻く方向に回すと・・・。
「ストッパーギヤ」の突起部によって「クラッチツメ」が押し戻される。
この動きはクラッチカム → クラッチプレート → クラッチレバーへと伝わり,クラッチレバーが自動で戻される。
・・・うーん,説明が難しい。分かり難くてすみません・・・。