ローラークラッチベアリングの錆

ここから写真を大きくしてみた。

「本体A」の内側は,こうなっている。

矢印部「ローラークラッチベアリング」のサビがひどい。

この部品は1,500円もする・・・。

ローラークラッチインナーチューブ

こちらは本体側。

このままひっくり返すとバラバラになってしまうので注意する。

まずは矢印部「ローラークラッチインナーチューブを外す。

引っぱり上げるだけだ。

ローラークラッチインナーチューブがはまっていた溝

取れました。

チューブには足のような突起があり,突起が矢印部の溝にはまるようになっている。

したがって,チューブの向きが分からなくなる事はないだろう。

ローラークラッチインナーチューブをベアリングに入れる

このチューブは「ローラークラッチベアリング」の中に入るような構造になっていて,ハンドルを巻くときはスムーズに回転し,反対に回そうとするとロックする,いわゆる「ワンウェイ・クラッチ」の構造になっている。

ハンドルを回すときに回転方向のガタが大きい場合,ここに不具合が発生している可能性が高い。

ベアリングにオイルを給油して,チューブをベアリングに入れてみる。

ベアリングにチューブが入った状態

入った。

チューブとベアリング間のがた点検

まずはチューブとベアリングの間に,大きなガタがないかチェック。

「本体A」を固定した状態で,チューブをこのように持って回転させると,リールを巻く時の方向にはスムーズに回って,反対方向に回そうとするとロックすることを確認。

ベアリングはサビていたり,このように回転させた時に違和感がある場合は交換だ。

まだ注文してないので,交換する時に更新する。

回転後のチューブ清掃

回転させた後にチューブを取り出してオイルを拭き取ってみると,サビが付着してきた。

私のリールみたいに一目でサビているのが分かればいいが,微妙な場合は このようにすると分かる。

錆が発生している場合は,このような給油&清掃を何度も繰り返し行うと,意外と調子が良い状態に復活する。

交換するのが理想だが。

メインギヤの分解

続いてメインギヤ付近を外していこう。

写真のように,リール内で一番大きな「メインギヤ」を持ち上げると外せる。

メインギヤの上には2枚の板,下にも2枚の板状の部品がある。

ギヤの上にあるのは落とす事は少ないが,メインギヤの下にある板はギヤにくっついて外れてくる事が多く,落下しやすいので注意しよう。

また,ギヤを外すときに矢印部の部品が外れやすい。

スプリング2本は,あらかじめ外しておいた方がいいだろう。乗っかっているだけだ。

ハンドル軸に残ったストッパーギヤ

メインギヤが外れた。

予想通り,メインギヤの下にある「スタードラグ座金」という部品はギヤにくっついて取れた。

これは「ストッパーギヤ」。1番下の部品だ。

うっすら錆?のようなものが。グリスは切れていなかったが・・・。

ストッパーギヤが外れた状態のリール本体

こんな感じになった。

白いプラスチック製?のギヤは,レベルワインダーを動かすかめのギヤだ。

さっきのスプリング(2個)を外そう。乗っかっているだけだ。

クラッチヨークを外す

スプリングを2個外したら,間にあったギヤを外す。

ギヤの周りにあるプラスチック部品「クラッチヨーク」と一緒に外す。

「クラッチヨーク」には上下の向きがあり,少し分かりずらい。しっかり覚えよう。

クラッチヨークを組み付けるときの向き

こういう向きだ。

反対に組む事もできるので注意する。ギヤの噛み合いがおかしくなる。

間違って組んでも気づきにくいので注意しよう。

メインギヤの上に乗っているドラグワッシャー類

続いて,メインギヤの分解だ。

ここはドラグに関係する部品が,グリスで密着している。

まずはメインギヤの上にある「スタードラグ板」を外す。

グリスでくっついている場合があるので,ピックがあると便利だ。

外した「スタードラグ板」

「スタードラグ板」が外れた。向きがあるようなので注意だ。

この部分には,「ドラググリス」という物が塗られている。

メインギヤと,ここらへんの板との摩擦(滑り)によってドラグが作動しているため,ここに通常のオイル・グリスを塗ると,ドラグの調子が悪くなる(滑りやすくなる事が多い)。

ちなみに写真のグリスは,オーバーホールに出した時に塗られてきたものだ。色はグレーだが,最初からなのか劣化したからなのかは分からない。

人によっては,このグリスを塗らないでドラグ機能を無し(ロック状態)で使うようだ。

ベイトリールはランディング中にスプールを親指で押さえながらクラッチを切ることでドラグの代わりができるため,私もバスやロックフィッシュを釣る時にドラグの必要性を感じた事は無いが,海での使用のため錆を防止したいので,塗っておく。

メインギヤ上の「スタードラグ座金」

続いて「スタードラグ座金」を外す。

私のリールはメインギヤに結構固くくっついていたため外しにくかった。

ベイトリールを保管するときはドラグを緩めておかないと,ここらへんの部品がくっついてしまい,ドラグ性能が低下する。

知っていたので常に緩めて保管していたが,固着してしまったようだ。

ピックを使うとメインギヤに傷を付けやすいので注意だ。

ここまでに分解したメインギヤ周辺の部品一覧

メインギヤと,上下の部品を並べてみるとこうなる。

右端の「ストッパーギヤ」が,組み付け時の一番下になる。

その上に「スタードラグ座金」,「メインギヤ」,「スタードラグ座金」,そして写真左端の「スタードラグ板」だ。

この複数のプレート状の部分に,グリスを介した摩擦(滑り)が発生してドラグが作動しているようだ。

ここらへんのメンテは,ドラグ機能に直接影響するだろう。

分解後のリール本体側

本体側は,こんな感じになった。

初めて分解する人は,ここまでにすると区切りがいいだろう。

私が分解するのも,いつも ここまでだ。

inserted by FC2 system