今回はベイトリールのオーバーホールに挑戦だ。ちなみにオーバーホールとは,一般に「分解・清掃・点検・部品交換・調整・再組み付け」などの一連作業を指す。
いつものように完全自己流の作業なので,マネするときは自己責任でお願いします。また,ツッコミなどがあれば,メール送信フォームからお願い致します。
正直,あまり詳しい分野ではないです。
2馬力ボートを購入した当時,ロックフィッシュ用に買った。 通称「ガンメタ」。
バス釣りでは「メタニウムMg」シリーズの方が軽量で人気が高いと思うが,マグネシウム合金製は海水に弱いと聞いた事があるので(本当かどうかは分からないが),こっちにした。
以前は年に一度ごと釣具屋にオーバーホールに出していたが,清掃・給油するだけでも約3,000円の費用が掛かるため,自分で分解してみた。
まずは,分解図を準備する。リール購入時に付いてくるが,無くしたり中古で買った人のため,シマノはネットで入手できる。
非常に親切だ。
今回使用する工具。
右から,メガネレンチ,マイナスドライバー,プラスドライバー,ピック(先曲がり),ピック(ストレート),リールスプレー赤(グリス),リーススプレー青(オイル)。
ハンドルノブを分解しないならプラス・ドライバーとレンチだけでも分解可能だが,細かい部品を動かすため「ピック」を準備した。
左端がピックのストレート,二番目がピックの先曲がりだ。
尖ったものは部品に傷が付きやすいので使わない方が理想だと思うが,私はスムーズな作業を優先して,あえて使用する。
マイナスドライバーは,幅が広めじゃないと緩めにくい。
これはシマノ純正のドラググリス(DG-04)だ。店頭で販売はされておらず,シマノのカタログにも載っていない。
釣具店で注文をしようとしたら,店員は知らないようであった。「部品として供給される物らしい」と言ってみたら,調べてくれた。
840円だった。大量に入っているので,当分持ちそうだ。
それではやってみよう。まずはハンドル部の分解から。
分解自体はそんなに難しいとは感じなかったが,メカに弱い人は注意しないと逆に調子を悪くするだろう。
自分もメカに強い方ではないが,とりあえず挑戦してみる。
まずはドラグを一杯まで締め込んでから完全に緩むまでに,ドラグのハンドルが何回転するかを覚えておく。
ハンドル付近の組み付けに失敗すると,この回転数が変わりやすいので,組み付け不良が分かりやすい。
回転数を覚えたら,ハンドルとドラグの間に隠れているネジ(2本)を外そう。ドラグを回して,写真のようにネジを回しやすい位置にする。
初めて分解するときは,結構緊張する部分だ・・・。結構固くて小さいネジなのでナメやすい。ちゃんとした工具で,押す力を9,回す力を1位の感覚で緩める。
1つのネジだけを一気に外さないで,まずは2本とも1発緩め,両方緩んでから外すと良い。
ナメてしまいそうな時は,釣具屋にオーバーホールに出した方が良い。
壊すと逆に,高くつく。
外れた。
今回はティッシュを下に敷いているが,リールは精密部品で油分も多いので,ホコリが付着するため良くない。
ホームセンターなどでオーバーホール用のホコリが出ないウエスが売っているので買うと便利だ。
台所にあるキッチン・ペーパーでもいいようだ。
ハンドル内側は,こうなっている。
中心の穴は12角になっており,下写真の大きなナットが緩むのを防止している。
こちらは本体側。中心に大きなナットがある。
分解前に,ナットとボルトの高さ関係を覚えておこう。このリールの場合は,ほぼ同じ高さだ。
ハンドルがナットの緩み止めの役割をしているため,組み付け時は中心の大きなナットの角度と,ハンドルを取り付けするビス穴の位置関係がビシッ!と決まらなければハンドルが取り付けできない。
組む時に考えれば良い事だが,初めて分解する物は構造を理解しながら分解した方が良い。
中心のナットを外す。
このレンチは,アブガルシアのリールを買ったときに付いていたものだ。探してみたら,メタニウムXTにもレンチが付いていた。
このナットを外すと「ビヨ~ン!バラバラ・・・」となってしまうので,しっかり部品を押さえておく!
ナットの下にある部品をリール本体側に押し付けておくといいだろう。詳しくは,次写真を参照。
ここにスプリングが入っている。
短いバネなので,部品を遠くまで飛ばす威力はない。周りが整理されている場所でやれば大丈夫だ。
写真のように,ナットを上向きにして しっかり押さえてなければ,バラバラになる。
失敗しても落下する部品はナットを含めて3つ程度なので,そんなに恐れる必要は無い。復元できるだろう。
ここからが,初めて分解する人にはドキドキゾーンだ・・・・。
まずは大きなナットを外して・・・・
続いてこれ,ハンドルのネジが付いていた部分を外す。
「リテーナ・ハンドル」と言うらしい。
向きは簡単に覚えられる。
次にこれ。「スタードラグ音出シ板」という,分かりやすいネーミングの部品だ。
「シ」ぐらいはひらがなでもいいと思うが・・・。
名前の通り,この部品でドラグの「カチカチ」という音を出す。
向きがあるので注意!構造を理解すれば分からなくなる事はないが,向きを覚えておこう。
写真のように2つの窪みがある方がナット側で・・・・
このように多数の窪みがある方が,ドラグ側だ。
ドラグの「カチカチ」音は,この窪みで出している。
続いて「スタードラグ」。外すだけ。
「スタードラグ」の下にはスプリングがあるが,もう既に伸びた状態のため「ビヨ~ン!」と飛び出してきたりはしない。
ドラグ表面(矢印部)に小さな突起があり,ここが上写真の「スタードラグ音出シ板」と接触してカチカチ音を出す構造になっている。
この突起は「音出シピン」という名前。
簡単に取れてきた。
かなり無くしやすい部品なので最初に取っておくといいだろう。
また,「音出シピン」を外すと,中にスプリングが入っている。
無くさないように外しておこう。ピックなどで外すと作業しやすい。
次に,「スタードラグ」を外す。
続いて「スタードラグ バネ」を外す。取るだけ。
パーツリストの部品名って日本語で表現しても漢字とカタカナでしか表記しないんですね・・・。
はい,次は「スタードラグ固定ナット」です。四角い形をしているナットだ。
このナットはドラグのハンドルを回すと一緒になって回転し,ドラグの力を調整するようになっている。
ドラグのハンドル内側を見ると・・・。
こうだ。
そして,ナットとハンドルの間に,さっきのスプリングが入る。
したがってナットを外す場合は,このドラグを工具のように使って外す。
スタードラグを被せる。
スプリングは入れなくてもいいと思うが,ドラグを回転させたときに本体と擦れてしまうようなら注意しよう。
スプールを手で押さえて,回転しないようにしてハンドルを回すと,ナットが回る。
ナットはこの状態で完全に外さないで,緩めるだけにした方が良い。
ナットの下には数枚のワッシャー状のものがあり,ドラグハンドルにくっついて落下してしまうと,向きや順番が分からなくなる。
ナットはある程度緩めると,あとは手で回るはずだ。
っていうか,分解前にドラグを緩めておけばいいんじゃん!よくよく考えたら,ドラグ締めて分解するからこうなるんじゃん!
意外と不慣れなんで許してください。
ドラグを締めたまま分解した人のために,コンテンツはこのままにしておこう。
ナットの裏にスペーサがくっついているかもしれないので,注意して外す。