警告!!このページはマニュアル等を参照した整備の模範的要領ではなく,自分の行った自己流整備の記録です。船外機の整備ミスは命に関わるという事を忘れずに,できるだけプロに任せる事を強くお勧めします!このサイトを参考にした結果による,いかなる事態にも責任は負えません!

製作開始日:2011年2月20日

ヤマハ2馬力船外機(F2AMH)

この船外機は2006年の夏に購入したのだが,5年近く経った現在,プロペラシャフトのオイルシール付近からギヤオイルが漏れてきてしまった。

オイルシール交換のついでに,インペラ周辺も分解・交換してみることにした。

どちらも初めての作業なので,時間を掛けて慎重に作業しよう。

エンジンが掛かっている時に船外機から勢い良く出る水

これは2010年夏の写真。子供と阿武隈川で川遊びをしたときに撮影した。

インペラが正常に機能していると,このように船外機本体の穴(パイロットホールという)から勢い良く水が出てくる。

この水を点検する事でインペラの状態がある程度把握できるのだが,出航した直後は点検しても,釣りの最中は あまり気にしていない。

新品のインペラ単体部品

これは今回交換する部品で,新品のインペラだ。ゴム製で,羽は6枚ある。

例えばエンジン回転中に羽が1枚破損した場合,インペラ周辺で破損した部品が暴れてしまうので,連鎖的に他の羽が壊れる事もあるらしい。

したがって,出航時に正常でも釣行中に一気に壊れ,オーバーヒートしてしまう事もあるようだ。

壊れた時にデカい音でも出てくれると分かりやすいのだが・・・。

プロペラを外した状態のロワーユニット

それでは作業開始だ。

今回の作業はインペラ交換だけでなく,インペラの下にあるドライブシャフト(プロペラシャフトではありません)のオイルシールも交換しようと思う。したがって,インペラ交換には不要な作業も含まれるのでご了承下さい。

まずはプロペラ周辺を外して,このような状態にする。プロペラ周辺の外し方は,「プロペラ周辺の整備」を参考にして頂きたい。

今回はドライブシャフトを外す作業があるため,矢印のボルト2本を一発緩めておく(まだ外さない)。ロワーユニットだけになってから緩めようとすると,グラグラして緩めにくい。

事前にギヤオイルは抜いておくこと。

※インペラ交換のみの場合,この作業は全て不要です。

ロワーユニットの上にあるグロメット

次に,ロワーユニットの上にある,この黒いフタを外す。

私はマイナスドライバー(大)で外したが,年数による硬化もあるのだろうけど,かなり固かった・・・。外す時に壊れる可能性は,結構あると思う。

ちなみに私は少し壊してしまったので,新品に交換しよう。

このフタは2つあるのだが,外すのは矢印の方だけでいいんじゃないかと思う。

ロワーユニットの上にあるフタ(グロメット)を外した状態

上写真(矢印側)のフタを外すと,ネジが1本見える。

この写真側を外すとネジの頭(10mm)が見える。

このボルトはクラッチレバーの位置によって移動する構造になっている。

これはレバーがニュートラルの位置にあるときの状態。

クラッチレバーをドライブ側に操作

ちなみにクラッチレバーをドライブ側にすると・・・。

ボルトが上に上がって見えなくなる

このように,ボルトが上がってしまって見えなくなる。

反対側の穴から見てみると

反対側のフタは,ネジの先端が見えるだけなので,外す必要性は感じない。ちなみに私は最初にこちら側を外してしまったので,「ハズレ」だった・・・。

私の船外機は,このフタ付近の塗装が浮いてきている。

ついでなので掃除でもしておこう。塗装は次回だ・・・。

穴から見えるボルトを緩めて,シフトロッドを切り離す

このネジはクラッチを作動させる2本のロッドを連結するためのもので,クラッチレバーから来ているロッドとプロペラ部にあるクラッチのロッドを連結している。

ここで上下を分離できる構造になっている。

シフトロッドの構造

上写真のイメージは,こんな感じだ。ボルトを緩めると,連結部が分離できる。

ボルトは外さないで,緩めるだけでいい。

ロワーユニットを固定しているボルト(3本)

この3本のボルトを1発緩めておく。

まだ外さない。

船外機をチルトアップした状態

船外機をチルトアップする。

これはロワーユニットが外れるとき,プロペラ部のギヤととエンジンを繋いでいる「ドライブシャフト」という部品が非常に長く,チルトアップして抜かないとキツいため。

この船外機はチルトアップすると船外機本体が回転しないようにロックが掛かる構造になっているため,非常に便利だ。これが普通なのか?

ロワーユニットを固定しているボルト(3本)を外す

先ほど緩めておいた3本のボルトを外す。

1発緩めておかないと,この体勢から緩めるのが大変。っていうか,不安定で危険。

外した3本のボルト

3本のボルトが外れた。全て同じボルトだ。

このボルトには,錆を防止するため「ロックタイト572」が塗られている。

組み付け時に何も塗らないと,塩分がネジ山に侵入して地獄になる事があるようだ。

約5年間外した事が無いボルトだが,錆は全く発生していなかった。

プラスチックハンマーでロワーユニットを叩いて切り離す

プラスチックハンマーなどを使用して,ここらへんを叩く。

叩くときは,ロワーユニットを手で押さえておく。撮影の都合上,写真では押さえていないが。

強く叩くとロワーユニットが一気に吹っ飛ぶ可能性もあるので,小さく・多く叩く。

写真には写っていないが,私はハンマーと船外機の間にウエスを挟んで,傷付きを防止した。

ロワーユニットが外れてきた

外れてきた・・・。落とさないように注意だ。

矢印部のすき間をマイナスドライバーなどでこじりたくなるが肉厚が意外と薄いので,ダメージを与えないようにハンマーで叩いていった方がいいと思う。

ロワーユニットを引き抜く途中

外れてきた。

ドライブシャフトが非常に長いので,まっすぐ引き抜く。

ロワーユニット(ドライブシャフト付き)

ロワーユニットが外れた。

事前に置く場所を決めておき,汚れないように下に何か敷いておく。

ロワーユニットが付いていた部分の船外機側

ロワーユニットが外れた,船外機側。内部はエイリアンが潜んでいそうな洞窟みたいになっている・・・。

今までのフラッシング時間が短かったのか,それともこれで普通なのか,結構汚れている。

船外機側の冷却水パイプとシフトロッドが見える

少し接近してみた・・・。

インペラ吐出口が刺さっていたパイプと,ドグクラッチのロッドが付いていた部品が見える。

パイプは刺さっているだけで,インペラとネジで連結されたりはしていない。

奥の方は暗闇だ・・・。

インペラ周辺の構成部品

ロワーユニットのインペラ周辺は,こんな感じだ。

上から

10mmのボルト1本を緩めて切り離した,ドグクラッチへ向かっている「シフトロッド」

エンジンの動力をロワーユニット内のギヤへ伝える「ドライブシャフト」

インペラで汲み上げた海水を,エンジンに伝えるためのパイプが刺さっていた「・・・ゴムパイプ?」名称不明。ゴムパイプとネーミングしよう。

エンジンと繋がっていたのは,この3箇所だ。

ヤマハ2馬力船外機(F2AMH)のドライブシャフト

これはドライブシャフトだ。

エンジンを冷却した後の海水と排気ガスにさらされているので,強烈に汚れている。

この写真は,カーボン汚れのひどい部分。排気ガスによるものだと思う。

汚れは場所によってムラがあったが,ひどいサビなどは無かった。

ここらへんは約5年間もノーメンテだったのだが。

さすがヤマハだ。

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