ここでは船外機のメンテナンスに必要なケミカル類を紹介していく。私の船外機はヤマハの2馬力(4サイクル)エンジンであるため,この船外機に適切と思われるものを購入している。
メーカーごとに指定の物があると思うので,自分の船外機に合ったものを選んでください。
防錆スプレー
海水でボート&船外機を使用すると,当然ながら金属部に錆が発生しやすい。
これは錆を防止して動きを良くする目的で使用するヤマハ純正の防錆・潤滑スプレーで「マリンガード」という。
写真は1000円位の商品で,もっと巨大なものも売っている。
このスプレーを選んだ理由は,もちろんYAMAHA純正であるという事と,私が船外機を購入したマリンショップでも整備に使用しており,なかなかイケてると勧められたためだ。
買うまでは知らなかったが,こういったマリン用のスプレーは水置換性に優れており,水分を除去する(乾燥させる)前にスプレーしても効果があるらしい。
一般的に売られている潤滑剤と比べると,かなりの効果が期待できる。
例えばドーリーのベアリング部が金属製の場合,海で使った後に洗浄しても内部がなかなか乾燥せず,放置するとすぐに錆が発生してしまう。
私のドーリーも購入当初のメンテが悪かった(マリンガードを持ってなかった)ため,すぐに錆が発生してしまった。
マリンガードを買ってからは,ドーリーを洗った後にタイヤを回して水を切り,マリンガードを給油している。
ちなみに,タイヤを回しながら全体に行き渡るように給油している。
錆が無くなった訳ではないが,安定して良い状態が続いている。
これはCRC6-66という商品で,5-56でおなじみのクレ工業製だ。私の近所では,ホームセンターで700円弱で売っている。
説明を見る限りではヤマハのマリンガードと同等の作用があるようなので買ってみた。
ネットを見ると,これを愛用しているボートユーザーは多いみたいだ。マリンガードより入手しやすいのがいい。
ちなみに,5-56はマリン用品のメンテとは相性が悪い(用途にもよる)ようなので,6-66をお勧めする。
グリース類
私の船外機(ヤマハ:F2AMH)で日常のメンテナンスをするときに使用するグリスだ。
写真上の「グリースA」は,可動部のほとんどに使用できる出番の多いグリースだ。比較的柔らかいグリースなので,こまめに給油する必要がある。
写真下の「グリースD」は,私が知る限りではプロペラが取り付けされているシャフト(プロペラシャフト)専用グリースだ。今のところ,他の場所に使用した事はない。
グリースDは,触ってみるとメチャメチャ硬い(粘りが強い)グリースだ。
プロペラシャフトに塗って組み付けすると,しばらく海で使った後もしっかり残っている粘り強いヤツだ。シャフトに残っている古いグリースを落とすのも大変。
プロペラ部は,このグリースの代用品は思いつかない。
これは「グリース・ガン」などと呼ばれるものだ。
私の船外機はグリース・ガンを使用して給油する場所(グリース・ニップル)が2箇所あるので,このガンに上写真の「ヤマハ グリースA」を入れて給油する。
ちなみに,ホームセンターで1000円弱くらいだったと思う。
具体的な使い方については,「2馬力船外機の整備~各部のグリスアップ~ 」をご覧ください。
ギヤオイル
船外機専用の,ヤマハ純正ギヤオイルだ。
私の船外機はギヤが小さいため,オイル容量は75mL しか入らない。
この商品は350mL入りなので,かなりの余裕がある。
船外機の説明書によると,純正オイルが入手できないときは「ハイポイドギヤオイル(SAE90)」でも良いようだ。
ハイポイドギヤオイルとは,自動車(FR車)のディファレンシャルなどに使われるオイルで,たぶん大きなカー用品店で売っていると思う。
船外機用であるこのオイルは,「水分離性,耐水性に非常に優れ・・・」というところがポイントなのだろう。
ギヤケース内に海水が混入した場合を考慮した成分が含まれているのだと思う。
パーツクリーナー
ホームセンターなどで売っている,普通のパーツクリーナー。部品の洗浄&脱脂に使う。
給油箇所などは汚れが付着したり古いグリスを取り除かなければならないため,パーツクリーナーがあると便利だ。
速乾タイプとそうでないタイプがあるので, 用途に応じて使い分けると良い。
キャブレタークリーナー
キャブレターのメンテナンスに欠かせないアイテム。ガソリンのカスを綺麗に除去する事ができ,キャブ内部はピカピカになる。
キャブの清掃にパーツクリーナーを実験で使ってみた事があるが,全く役に立たなかった。
このスプレーは「エンジンコンディショナー」と書かれているが,いわゆるキャブクリーナーだ。
私は泡状のタイプを使うが,泡状ではないタイプもあるようだ。
泡でモコモコにして漬け込んだ方が綺麗になる気がする。
ロックタイト(572)
ネジ緩み防止剤で有名な,ヘンケル社のロックタイト。
海水にさらされる部位のボルトなどを取り付けする時に,ボルトに塗ることで海水の浸入を防止して,錆によってボルトが折れたりするトラブルを防止する。
私の船外機(ヤマハ4スト2馬力)指定のものだ。
大型のホームセンターや工具屋など数件まわってみたが,売っていなかったのでネットで購入した。送料込みで1700円ちょっとだった。
もともとは金属配管シール用として開発された製品のようだ。
実際の用途は,「インペラ交換と周辺の整備」を参照して頂きたい。
液体ガスケット
(スリーボンド TB-1194)
組み付け時のシール性を良くするために使用する。
これは耐水・耐油・耐ガソリン性などに優れた製品で,船外機と相性がいいらしい。
ちなみに,「ヤマハ ボンドNO.4」の互換品だと思う。
「ヤマハボンドNO.4」は廃盤になったようだ。
箱の中は,こんな感じだ。
ネットで買うと送料込みで2000円位するのだが,近所の大型ホームセンターで1300円弱で売っていた。
インペラ周辺の整備などで使う。
塗 料
これは船外機本体の塗装が剥がれた時に塗る塗料だ。
自動車用の「タッチペン」を使っている。
ヤマハ純正の船外機用塗料があるらしいのだが身近な場所で入手できないため,これで代用している。
買った色は,ダイハツの「プラチナグレーM」という色だ。
なるべく近い色がいいのだが,船外機の色と照らし合わせるのは難しい。
もう少し近い色があると思う。
自動車用のタッチペンは,ハケが付いているので塗りやすい。
仕上がりは,こんな感じだ。
若干色が薄いか?もう少し濃い方がいいと思う。